【本プログラムの背景】
NY de Volunteerは、2003年の設立以来、市民の社会参加やボランティア活動の促進を通じて、グローバルな視点で社会課題に取り組むチェンジメーカーの育成をする非営利団体です。私たちは、ニューヨーク在住の方々に社会貢献の最初の一歩を踏み出すきっかけとしてグループボランティア活動を企画する以外にも、日本在住の高校生や大学生向けにグローバルスタディ研修を長年に渡り実施しており、世界を視野に入れた考え方と行動力を養う体験型の学びの機会を提供しています。
そして、2024年10月19日、東京都渋谷区にある私立駒場学園高等学校の生徒37名を対象に、7日間のニューヨーク・ボストン修学旅行の一環として、ニューヨーク滞在期間中のボランティア研修プログラムを実施しました。
本校では、SDGsをテーマに国内外で修学旅行を展開しており、今回のニューヨーク修学旅行では「異国の地でのボランティア体験を通じて、他者への思いやりと社会貢献を考える機会を提供したい」という理念のもと、当団体が半日プログラムを企画し、運営しました。
【God’s Love We Deliverにてボランティアを実施】
今回、ボランティア体験として、慈善団体の「God’s Love We Deliver」を訪問しました。
この団体は、ホスピスで働いていたガンガ・ストーンという1人の女性がエイズ患者を支えるために食事を準備したことから始まりました。闘病中で自ら料理ができない、絶望的な状況にある人々に尊厳と希望を与えることができると気づいたことが、この団体の設立のきっかけです。
1985年に設立され、HIV/AIDSやがん、認知症など、深刻な病気と闘う人々に栄養のある食事を年間約500万食以上届け、17,000人の受益者に対し、23,000人以上のボランティアや寄付に支えられて運営されています。多くの人々が活動に賛同し、大きな団体となり、受益者の方々を支援しています。
チェンジメーカー育成をしているNYdVとして、この1人の人の想いやアクションが生み出す可能性を具体的に示した好事例と考え、今回ボランティア体験先として選びました。
最初に団体についてのオリエンテーションを実施。生徒たちは興味津々で聞き入っていました。
その後、受益者に届けられる朝食のパッキングを実施しました。生徒たちは自ら役割分担をし、シリアルや牛乳などの袋詰め作業を行いました。スムーズに作業が進み、God’s Love We Deliverのスタッフさん達もその手際の良さに感心していました。
(パッキングした朝食セットはすでに受益者の方々へ届けられました!)
また、当団体では「クライアントに生きる喜びや希望を感じてほしい」という願いから食事だけではなく誕生日やクリスマスなどイベント時にカードを届けるという活動も行っています。
当校の「形に残るものを残したい」という思いもあり、カードや折り紙の作成も行いました。
英語と日本語を使ってメッセージを書いたり、折り紙を貼って飛び出すカードを作ったり、折り紙で手裏剣やカボチャを作ったり・・・時間ギリギリまで真剣に取り組んでいました。
また、当団体は温かい食事をクライアントに届けており、キッチンへ案内いただきました。
栄養士によって、疾患別のメニューが考えられており、壁には様々な献立が貼られていました。ボランティアの手によって様々な料理を作っている様子を見ることができ、どのような人たちが関わっているか学ぶことができたと思います。
最後に
今回、ボランティアを初めて経験したという生徒も多く、「ボランティア活動を身近に考えることができた」、「思っていたよりも気軽に取り組めることを知れた」という声があがりました。
引率の先生からは「ニューヨークでのボランティアを通して他者に想いを馳せるきっかけになってくれたら」という想いを聞くことができました。
ボランティア終了後は屋上に集合し、記念品としていただいた帽子を被って撮影しました。
「God's Love We Deliver」を実際に訪問して、ニューヨークという場所で活動している慈善団体を知り、自分たちの手でボランティア活動を行い、また団体スタッフや調理ボランティアの活動の姿を目で見たというこの経験は大きな財産になったのではないでしょうか。
短時間ではありましたが、今回の経験を通して「私には何ができるだろう」と、社会課題を自分ごととして考えるきっかけとなればと願っています。
この日本在住者向けグローバルスタディ研修は、コロナで一時中断されていましたが、お陰様で徐々に再開してきております。ご興味のある方は、是非 info@NYdV.orgまで、ご連絡ください。
*週刊NY生活に掲載されました!8ページ目に載っています。ぜひご覧ください。
ライター:NYdV運営スタッフ みき
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